2015年6月28日日曜日

北野映画の魅力

人生は、いつも境目のない夜明けのようなものさ。
子どもから大人になる瞬間も、生から死へ変わる瞬間もわからない。
四元壯



実は、北野映画が好きだ。
『キッズ・リターン』は、何度も見た。


「俺たち、終わっちまったのかなー?」
「バカヤロー。まだ始まってもいねーよ。」


あぁ・・なんていいシーンなんだ・・・
なんでこの、たった二言で、
全てを表現出来てしまうんだろう。



映画を通して、個人的なメッセージを送る
いつだかの、北野武へのインタビュー映像があった。
https://www.youtube.com/watch?v=YjKHQZcx9jw

その中の一節を書き起こしてみた。

「映画をやる時に、ひとつのエピソードをやった時に、
それを知ってる奴にメッセージを送っちゃう時があるんですね。
それは高校の仲間とか、中学の仲間、わずか5人か6人いない人に、
その映画を通して、そこのシーンだけメッセージを送ってるところがあって。
それがたまらなく好きなところがあるんですね。
だから、キッズリターンの上からホウキ吊るしたのも実際やったことだし、
あれはホウキじゃなくて実際の人間吊るしたんですけど(笑)
その日本の何人かいない人へのメッセージでも、
そのエッセンスは、意外にその事実を知らなくても、当事者でいなくても、
伝わるようなシーンがあるんじゃないかっ気がするんですよ。
そうじゃないと映画っていうのはありえないわけで。」北野武


なんだか、このインタビューを見て、
はじめて、北野映画がなんで好きなのかが、
少しわかった気がした。


メッセージというのは、
とても個人的なもので、
例えば俺が、自分の恋人や、家族や、友達に伝えたいことがあって、
伝えようと、言葉にする。
それは、
本当に伝えようとしているから、
表現は巧みでなくても、
”熱”のような、情熱のようなものがすごくこもっているんじゃないかと思う。
だから、
そのメッセージは、伝えようと意図していなかった人にも、
伝わるのかもしれない。


そういう意味で、
北野監督が、個人的な想いで、
特定の人に送っているメッセージでも、
見ている観客、つまり俺、にも届くのかもしれない。


そういう意図があって作っている、
と思いながら、
もう一度、北野映画を見てみると面白いかもしれない。













 

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