2015年8月24日月曜日

聴こえない人に、音楽を届ける

人生は、壊れかけのレディオみたいなものさ。
何も聞こえていないのに、みんな聞こえた振りでやりすごすんだ。
四元壯


陽を浴びずとも、育つ花

ひまわりも元気がなくなる季節になってきました。
みなさん、おかわりないですか?


the HIATUSというバンドがある。
そのボーカルの細見さんという超天才に、ある日、
矢野顕子さんからメールが届いたらしい。

そこにあるURLが書かれていて、クリックすると、
黒人のシンガーが、聴覚障害者の人のために、
歌いながら手話で、音楽を届けている映像が流れていた。

その映像に心打たれた細見さんが、
自分のライブでもそれをやるべく、
手話師のペン子さんをゲストで呼んだ。


そして、演奏のはじまる前、
細見さんは、
ペン子さんの手紙を読み上げた。


「今日、この場所に立たせてくれた人たちに感謝いたします。
そして、この仕事を信じ、共に続けてきてくれた、先生、仲間に感謝します」

もはや、この手紙だけで俺はノックアウトされてしまった。


あぁ、そうか。
世界には、
スポットライトをあびていない、
地味で、だけどとても素晴らしい仕事をしている人が、
沢山いるんだな。


普段、光を浴びている仕事と言えば、
ニュースキャスターとか、
タレントもそうだし、
キャビアテンダントとかも、
キラキラしている、憧れの対象となる仕事だろうと思う。

それに対して、手話師や、手話で歌を表現する人は、
そういう仕事とは全然違う、
本当に、やる人が、やれる人が限られてくる、
すごく貴重な、そして重要な仕事だ。


カリスマとはまさにこういう人を言うんだろう

誰かの権利のために戦う人は、強い

ペン子さんが、なぜこの仕事をはじめたのかは、
俺は知らないだけど、
このペン子さんのツイッターを見て思った。

‘音楽が嫌い、苦手。そもそも音楽に興味がない。手話歌?はぁ?どうせ聴者が自己満足でやってるやつでしょ。そういうのを見ると寒気がする。’という環境下でも挑戦しようと思ったのは、誘ってくれたのが細美さんだったから。相手がハイエイタスじゃなければこんな怖い挑戦は絶対にしなかった。
https://twitter.com/pennko/status/548895824160100354
こんなに、素晴らしいことに対してすら、
ケチをつけてくる人がいるんだな。と、驚きを隠せないが、
でもきっと、
こういう人もいる中で、
「あなたは本当に、その仕事、本気で続けられるんですか?」
という試練でもあるのかもしれないと思った。


俺の勝手な憶測だけれど、
きっとペン子さんは、
「純粋に人の役に立ちたい。聴覚障害の人の為に手話を覚えたい」
という思いはもちろんだけど、
それ以上に、


聴覚障害の人が音楽を楽しむという「権利」を、
守らないといけない!


と思ったのではないかと、
俺は思っている。


「誰かの役に立ちたい」
というのは、とてもピュアで、素晴らしい考えだし、
俺も、思ってはいる。
だけど、
「誰かの役に立ちたい」レベルは、
実は、「自己実現」=「自己満足」の域を出ていないのではないか、
と思った。


だから、
「聴覚障害の人の権利を守るんだ!」
というくらいの強い思い、
ひとりよがりで、押しつけがましくなりそうなくらいの、
強い思いを持ってやらないと、
いい仕事、素晴らしい仕事、というのは出来ないのかもしれない。


マズ郎さんの段階欲求説。僕は一番したが一番つよいですね。


音楽も、いつまでも自己実現ではダメ

ボイトレの先生も言っていた。
音楽をやる人は、誰かの心を揺さぶり、感動させないといけない。
いつまでも自己実現の為だけに音楽をやっていては、
人を感動させることなんて出来ない。
と。


まさにそうだな。と思う。
今の自分の音楽や、
その為の、こういうブログ活動とか、
全てが、
どんな役に立っているか、役に立つか、
さっぱりわからないけれど、
きっとどこかで、誰かの為になるはず!
と信じ、続けていきたいと思う。


続けることでしか証明出来ないことがある。


8/29。
いよいよ、今週ライブです。
下北沢デイジーバー。
the chocolate boxの出番は12:30です。
トップバッターです。
お見逃しなく!


the chocolate box
四元壯




0 件のコメント:

コメントを投稿